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療育音楽
桜の園開設2年を過ぎ入所されているお年寄りの皆様の、いきがいづくりを模索していたころ、ケア向上を目的とし、定期集まり勉強会を開いている施設グループのメンバーである福岡県遠賀園の安高園長のご紹介により、北九州で行われた「療育音楽指導者研修会」に参加したのが赤星建彦先生(財団法人東京ミュージックボランティア協会・会長)と「療育音楽」との出遭いでした。
早速、研修会終了後「療育音楽」を開始しました。当初は週1回の音楽クラブとして発足し、のちに担当職員を研修会に順次参加させ知識・技術を習得することにより、また、業務の変更や人員配置など方に毎日1時間のA・B・Cプログラムに分け、お年寄りのレベルに合わせたきめ細かい療育音楽を実施しています。
音楽は皆様の心を癒し、懐かしい歌を口ずさみ昔を回想することによる痴呆防止の効果があり、また、楽器を演奏することによる身体のリハビリ効果もみられ、入所のお年寄りの皆様に元気と笑顔をもたらしました。さらには音楽では小太鼓を担当されていたYさんは心疾患により寝たきり状態になられたが、赤星先生が当園に来られた際に、枕もとで一緒に『りんごの歌』を歌っていただき、そのあと再び小太鼓のスティックを握り演奏されるまでに回復されたことは、まさに奇跡と言っても過言ではないと思います。
「療育音楽」の創始者である赤星先生は多忙な中、何回も当園に足を運ばれ入所のお年寄りに対し、音楽へのすばらしさを伝えるだけではなく、職員の指導者育成にも力を注いでいただきました。当園職員の療育音楽指導者研修修了者も20名を超え、ますます充実した療育音楽が行えるようになりました。また、当園で毎年行っている杵藤地区の難病の方たちとの「難病者の集い」も今年で5回目を迎え、地域の皆様にも「療育音楽」が浸透しつつあるように思えます。「療育音楽」は能動的なプログラムであり、自ら楽しく歌ったり、身体を動かすことで血流を良くし、脳に直接働きかけるリハビリテーションです。今後も「療育音楽」のみならず、入所のお年寄りの皆様の心身の健康回復・維持・予防に努めてまいります。
(桜の園10周年記念誌より)
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